2022年3月13日日曜日

ビジネススクールに合格しました。

 この度、令和4年度の一橋大学大学院 経営管理研究科 金融戦略・経営財務プログラムに合格しました。今回は社会人向けの大学院なので仕事をしながらでも通うことができます。

せっかく合格したので、こちらの受験記についてもまとめようと思います。
※ 記事執筆時点での情報になります。必ず最新の情報をご確認ください。

その前に

いくつか略語が出てくるので、あらかじめ紹介しておきます。

一橋大学のビジネススクール(経営管理研究科)は”Hitotsubashi University Business School ”でHUBと略します。
HUBには経営管理専攻”School of Business Administration:SBA”と国際企業戦略専攻”School of International Corporate Strategy:ICS”の二つの専攻科が含まれます。

取得する学位は基本的に”Master of BusinessAdministration:MBA”です。
※ 専攻科やプログラムごとで厳密な分類は異なります。

これ以降はこの略語を用いて記事を書いていきます。

なぜビジネススクール進学を決意したのか

私は、これまで薬剤師として急性期医療の現場で働いてきました。
そこではどんなに臨床現場で尽力しても解決しない課題が多くあることを実感してきました。これは、公衆衛生大学院(School of Public Health:SPH)に進学される医療者の方々に共通していると思います。

そこで、人々の健康を維持・増進し、適切で持続可能な医療提供するためには、政策や企業などの医療を取り巻く環境の改善も必要であると考え、私は2019年4月にSPHへ進学しました。 SPH では医療政策、医療コミュニケーション学、疫学、統計学、産業保健学など分野横断的に公衆衛生上の課題を解決するための術を学んできました。しかしながら、これまでの臨床経験とSPHで学んだ公衆衛生専門職業人としての知識があっても、それらを医療政策や医療ビジネスを通じて社会実装しなければ公衆衛生上の課題を解決することはできないのではないかと思うようになりました。

そこで、限られた資源の中で適切に社会実装をするには、医療・公衆衛生の専門知識を有している者が、金融・財務の知識を身につけ、資金管理・資金配分をする専門家との橋渡しをすることが必要なのだと考えるようになりました。そして、薬剤師でありMPH取得者である私はその人材になれる可能性があると思い、この度進学を決めました。

なぜ一橋大学を選んだのか

大学選びの条件としては以下の通りでした。

  1. 学費を考えて国立一択。
  2. 社会人でも通える。
  3. 進学を考え始めたのが2021年の夏ごろだったので、秋〜冬に入試がある。
  4. 入試までの準備にそこまで時間がかからない。
    ※ 4については、あくまで今年度受けるという条件だったためです。来年度も受けるなら受験勉強にある程度の時間がかかってもいいと考えていたので、この条件は除かれるでしょう。
そうなると、以下の大学院が候補に挙がりました。

※ なお、HUB-SBAにはいくつかのプログラムがあります(HUB公式サイト)。各プログラムの併願可否については最新の募集要項をご確認ください。

画像は https://www.fs.hub.hit-u.ac.jp/about/ より引用(2022.03.13閲覧)


夏ごろに受験を考えたとはいえ、「本当に受験したいのか」「経営などの小論文や研究計画なんて書けないぞ・・」ということで結局ダラダラして9月近くなったので筑波大学は諦めました。

そうなると、一橋大学のどちらかのプログラムになります。
経営管理プログラムは小論文の試験があります。小論文の過去問を見ましたが、著作権の関係で半分以上問題が見れません。全く経営の知識がない自分にとって、数ヶ月で対策をするのは効率的ではないと判断しました。

一方、金融戦略・経営財務プログラムは小論文がありません。こちらのプログラムは応募時に提出する研究計画書が選抜に重視されます。
もちろん、金融財務・経営財務に関する知識が皆無に等しい自分には難しいとは思いました。しかしながら、研究計画書作成スキルは、SPH在籍中や現職の業務である程度磨いてきたので、合格の希望はあると自分に言い聞かせました。

このように、選考方法で概ね金融戦略・経営財務プログラムに決まりました。また、改めて自分の進学理由を振り返っても、このプログラムを志望する方が望ましいという結論に至りました。

研究計画書作成について

「どうやってテーマを探そうか・・。」
そんなところから始まった試験対策。

合格するためには、選考する試験官に刺さるようなテーマでないといけません。
そうなると私の場合、「健康・公衆衛生」と「金融・財務」の境界領域で攻めることが自分の強みとして見せる(魅せる)ことができます。

そこで上がってきた大きなテーマは「社会的インパクト評価」や「健康経営」です。
ここから、先行研究調査や取得できるデータ等を調べることで、最終的に「健康経営は企業価値を高められるのか※」というテーマで計画書を書くことができました。
※ 実際の計画書はより具体的な表題です。

さて、研究計画書は壮大な計画を立てれてばいいというものではありません。
実現可能なのか」「その研究は意味がある研究なのか」ということ意識して書く必要があります。
これは選考をする試験官の立場になってみると当たり前なのですが、「私の素晴らしい研究計画を見てください!!」という受験する側の目線でしか考えることができないと、合格するのは難しいでしょう。

私は以下のような構成で研究計画書を書きました。
特に意識したのは、「実現可能性」「新規性」「Implication 」です。
文字のフォントや計画書の枚数が指定されているので、メリハリをつけて書く必要があります。

<研究計画書の構成>

  1.  研究目的
    • 箇条書き
  2. 背景
  3. 方法
    • 「**について**という分析を行い、**をアウトカムにして比較する」という書き方にしました。
  4.  必要なデータ
    • データが取得できるのか、取得したデータはどのような内容か、使用するデータの強みについても書きました。 
  5. 研究計画の課題
  6. 必要なソフトウェア
  7. Implication
    • この研究をすることで、どのようなことが言えるか、どのような貢献ができるか
  8. 今後の課題
  9. 引用

面接について

無事、書類選考が通ってから2週間くらいに面接がありました。少し忘れた部分もありますが、以下のような質問内容でした。面接20分のうち、ほとんどは研究計画の内容に対しての問答でした。

<質問内容>

  1. 志望動機、これまでの経歴、研究計画について5分で紹介してください。
  2. 研究の新規性について具体的に説明してください。
  3. 海外では同じような研究をしていないのか。
  4. (私は健康経営についての研究計画だったので)企業で実際に行われている施策について教えてください。
  5. 卒後のキャリアについて教えてください。
  6. (合否とは関係ないという前置きがあった後)平日夜間・土日の授業で大変ですが、授業についてこれますか。
  7.  (合否とは関係ないという前置きがあった後)家族からは進学することについて理解をえていますか。


最後に

医療や公衆衛生という専門性が高い領域においては、MBA取得をする意義は大きいと思います。SPHの中にはMPH-MBAのダブルディグリープログラムがあるように、そのニーズの高さも伺えます。

私が薬剤師+MPH+MBAという人材になったのちに、どれだけその意義が高く、社会に貢献できるかということも、これから発信できればと思っております。

みなさま、引き続きよろしくお願いいたします。




0 件のコメント:

コメントを投稿