久しぶりの投稿です。
2021年3月に無事、東大SPHを卒業することができました。
さて、今回はSPHでの生活について、簡単に振り返ろうと思います。
【お金】
<入学金>入学金免除申請をしましたが、選考で落ちました。こちらは倍率が高いと大学側からも連絡があったので、「通ったらラッキー」という気持ちでした。
<授業料>
ありがたいことに、2年間(4期)全て免除させていただきました。
仕事を辞めて収入が激減すること、学業・研究に専念するのでアルバイトに充てる時間が限られること、学部生の頃に借りた多額の利子付き奨学金返済が残っていることを申請書に書きました。
<奨学金>
内部専攻のある給付型奨学金を受けることができました(65万/年)。
東大であれば、こちらに奨学金情報があるので、常にチェックしておくことをお勧めします。
年齢制限があり、受けられなかった奨学金も多くありました。
また、JASSOの第一種奨学金も受けることができました。
こちらのお金は手をつけずに、特に優れた業績による返還免除の申請をしています。
この記事を書いている時点ではまだ結果が来ていませんが、全額・半額免除となれば運が良く、もしも申請が通らなくても、無利子なのでそのまま返済をすればダメージはゼロです。
※2021.07.28追記:JASSOの第一種奨学金は全額返還免除となりました。
<バイト>
2019年6月くらいから約2ヶ月間は24時間薬局の当直バイトを4-8回/月やりました。
ただ、解熱鎮痛剤をお渡しするだけだったり、日勤の薬を渡すだけだったり、どうもやりがいを感じなかったので辞めました。
その後は、2019年8月頃から在宅訪問薬剤師として非常勤で働きました。
患者さんの自宅での薬学的管理は病院勤務時代で培ったスキルを存分に活かすことができました。また、今まで急性期の病院で働いていたので、退院後や入院する直前の患者さんの様子を知ることができませんでした。在宅医療に関わることで、退院後の患者さんがいかに薬を飲めていないか、そしてなぜ飲み続けられないのかを知ることができ、医療に対する課題感が広がりました。さらに、地域医療医療と公衆衛生は親和性が高いので、SPHでの学びと実社会を結びつけるよい環境でした。
2020年8月からは医療データを扱うベンチャー企業で臨床疫学や薬剤データに関連する業務にも携わりました。こちらは研究室で身につけた知識や薬剤師の臨床経験を活かすことができました。
【授業】
私は卒業に必要な単位を1年目に全てとりました。
2年目はコロナの関係でオンライン授業となりましたが、聴講の敷居が低くなったので(他学部の教室に入るのは個人的に勇気がいる)、いくつか授業を覗きました。
ただ、単位をとらず、自宅で聴くだけだと全然集中できないんですよね・・。
結局、2年目に頑張った授業はファカルティ・ディベロップメントくらいです(仕事の関係で修了はできませんでした)。
あとは授業とは別で HTAエキスパート養成プログラムの基礎コースを受講しました。大学関係者だと安く受講できます(とはいえ10万円ですけど)。
【インターンシップ】
国立保健医療科学院の保健医療経済評価研究センターで2019/8/26~9/12の期間に参加しました。HTA分析の公的機関であるため、一般公開されている以上の業務内容については教えていただけませんでしたが、海外HTA分析機関における分析結果の読み方について教えていただきました。
2020年2月からの1年間(2日/週)は特定非営利活動法人日本医療政策機構のAMR(Antimicrobial Resistance)とI&S(Innovation & Sustainability)のプロジェクトに参加して調査分析、政策提言の支援を行いました。行政関連の資料にアクセスして情報を収集することは、これまでやったことがなかったので、自分の情報収集能力が向上したと感じています。
【研究活動】
私は臨床疫学・経済学研究室に所属しました。
Publication listをみてもらうとわかりますが、論文数が膨大です。
それは、教育体制やデータ抽出の体制などがかなりしっかりしてるので実現できています。
私も指導していただいた方々に恵まれて、英語原著論文を2本、国際誌に掲載されました。
【大学のリソース】
1年目は御殿下のジムを利用していました。私は筋トレが日課となっているので、かなり安い値段であれだけの設備を利用できたのは最高です。2年目は改修工事やコロナと重なってしまい、利用できなくなったのは残念でした(民間のジムを利用しました)。
食堂はよく使いました。大学生協の会員になれば会員価格で安くなります。
その他にも東京大学ではマイクロソフト社製ソフトウェアの全学包括でのライセンス利用をしているので、office系のソフトは購入しなくても利用できます。
やはり1番は有料文献や有料雑誌へのアクセスでしょう。大量ダウンロードはいけませんが、フル活用しました。電子書籍も充実していますので、学生さんは是非利用してください。
これら以外にも利用できるリソースはたくさんあります。それらを探すのもけっこう面白いですよ。
【学割】
主に利用したのは以下です。映画館も行けばよかったなと後悔しています。
- 新幹線
- 学会
- Mac book air, iPad pro
- amazon student
- YouTube有料
- Apple music
- 統計ソフト:STATA
ちなみ、東大では、大学パートナーシップ・キャンパスメンバーズ制度に加入している博物館・美術館は無料で利用できます。
【就活】
2020年の8月頃にコンサル専門の転職エージェントに登録しました。
職務経歴書の添削依頼や面接の練習を繰り返しましたが、全滅でした(約20社)。
その間にもWantedlyやTwitterを経由していろいろな人とお話したり、インターン先の事務局長とも面談しました。
結局、アルバイトで働いていたベンチャー企業に正社員として入社し、非常勤で在宅訪問の薬剤師も継続することとなりました。
【最後に】
SPHに興味を持っている人は多いなと感じることが最近よくあります。
私も様々なバックグラウンドの方々にSPHに進学してもらいたいと思っています。